救急医療で必要な患者の重症度の見極め

日本の救急医療の現状としては、救急活動に携わる医療スタッフが不足している点が問題として挙げられます。
限られた人員で効率的に緊急医療サービスを提供しなければなりません。
そこで救急の医療現場で働く看護師に求められるのが、患者の重症度を見極める能力です。
病気や怪我で医療機関に運び込まれる患者はそれぞれ重症度に大きな違いがあることから、必ずしも緊急に治療を要する患者ばかりではありません。
近年では、軽症の患者が気軽に救急サービスを利用する事態が深刻化してきました。
救急医療の現状としては軽症の患者まで面倒を見る余裕はなく、できるだけ緊急に治療を要する患者だけを優先して治療を行わなければなりません。
救急医療で働く看護師は、患者の状態をチェックし、早急に治療を必要とするのかあるいは軽症で緊急性を要しないかについての判断が求められます。
ただし患者の重症度の判断が難しいのは、軽症と思われる患者の容態が急変する可能性があることです。
例えば内臓の出血により外見上は直ちに問題がないように見えても、急速に重体に陥るケースは医療現場で時として起こります。
そのため看護師が独断で患者の容態を判断するのは危険であり、重症度の判断が難しければ医療チームで相談して最終的な結論を出すのが無難です。
また救急の医療現場では、患者の重症度を判断し効率よく必要とされる医療機関へと振り分けるためのERシステムの制度の導入も進んでいます。