救急医療で大きな課題として挙げられるのは、交通が不便な山間部で十分な救急サービスが提供できない点です。
日本は山間部にも多くの集落があり、緊急に治療が必要な患者を医療機関へと運ぶことが難しい環境もよくあります。
このような現状に対して問題を解決するため、救急医療分野ではドクターヘリの導入が進んでいる点が特徴的です。
ドクターヘリは地上の交通網が発達していない険しい地形の地方でも、緊急に治療を必要とする患者の迅速な輸送を可能にします。
またドクターヘリにはパイロットだけでなく医師や看護師が同時に乗り込むことから、医療施設への患者の輸送中も緊急に治療行為ができるのが大きなメリットです。
このドクターヘリに搭乗して看護活動を行うフライトナースの新たな職業に対し、看護業界からは注目が集まっています。
ただしフライトナースの仕事に携わるためには、いくつかの条件をクリアしなければなりません。
医療施設などでの数年の看護経験に加えて、フライトナース向けの講習を受けるなどの準備が事前に必要です。
またフライトナースを採用している医療機関は限られていることから、現状では就職先の選択肢は狭くなります。
それでも注目を集めているフライトナースにチャレンジしてみる価値は十分に大きいです。
これから将来的にドクターヘリが山間部周辺を中心として、各地の医療施設に普及するに従って、フライトナースとして働けるチャンスも増えてきます。